はじめに

私たちは半世紀近くを吃音（きつおん）を持ちながら生きて来ました。

立ち向かったり逃げ出したり、救いを求めたり諦めたり、苦しみのあまり全てが嫌になってしまったこともありました。

それでも時の流れの中で、自分を必要としてくれる人や場所が出来て、吃音の苦しみを抱えながらも今日まで生きて来れました。

人生も後半となって、やり残したことは何かと考えた時に、心の奥底に深く沈めた吃音の苦しみから解放されたいという想いが溢れだし、自分の信じる方法で吃音改善に取り組み始めました。

今、私たちは幸せです。

幼子が言葉を少しずつ覚えるように、苦手だった場面で苦手だった言葉が少しずつ出るようになってきました。

吃音だからと諦めていたことにも挑戦しています。

毎日使う言葉だからこそ、私たちに毎日喜びを与えてくれます。

そして、それは吃音と共に長く生きてきた私たちだけが感じられる気持ちです。

そんな気持ちを共有し、一緒に喜び合い、上手くいかないときは気持ちを理解して励まし合いたい。本気で吃音改善に取り組み、自分に変化を感じている吃音者が交流する場として　はぴすたクラブ　を作りました。

吃音に対する考え方は人それぞれですが、こんな吃音者がいることを知ってもらえれば嬉しく思います。

                          　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はぴすたクラブ　会長　みぽりん